訪問看護の利用を検討する場合、どのくらい訪問してくれるのか気になる方も多いのではないでしょうか。
患者さんやそのご家族によってニーズは異なるため、必要な時だけ来てほしいといった方もいれば、できるだけ多く訪問してほしいという方もいます。
この記事では、訪問看護の平均訪問件数などについて紹介していきます。
患者さん1人あたりの訪問回数のルールについて
訪問看護の訪問件数は医療保険か、介護保険かで利用頻度が決められています。
医療保険を利用した訪問看護では、介護保険の利用対象外である小児など、40歳未満の方と40歳以上でも要介護者 ・要支援者に該当しない方が訪問対象です。
この場合、原則として週3回までと決められています。
(厚生労働大臣の定める疾病や状態に該当すると週3回以上の訪問も可能になります。)
これに対して、介護保険を利用する場合は要支援や要介護のレベルに応じた限度基準額内であれば、訪問回数は無制限です。
具体的には、それぞれの状態やニーズに合わせてケアプランで訪問回数が決められます。
患者さん1人あたりの訪問看護の利用状況について
2017年度のデータによると、患者さん1人あたりの訪問件数は、介護保険制度利用者より医療保険の利用者が多く、介護保険利用者においては要介護度が高くなるほど訪問件数が多くなっています。
医療保険利用者の場合、月あたりの平均訪問件数は7.6回で、うち看護職員による訪問が6.2回、理学療法士による訪問が1.4回です。
介護保険利用者の場合、以下の通りとなっています。
- 要支援1では、月あたりの平均訪問件数は3.9回で、うち看護職員による訪問が2.2回、理学療法士による訪問が1.7回です。
- 要支援2では、月あたりの平均訪問件数は4.9回で、うち看護職員による訪問が2.5回、理学療法士による訪問が2.4回になっています。
- 要介護1では、月あたりの平均訪問件数は5.2回で、うち看護職員による訪問が3.5回、理学療法士による訪問が1.7回です。
- 要介護2では、月あたりの平均訪問件数は5.7回で、うち看護職員による訪問が3.6回、理学療法士による訪問が2.1回です。
- 要介護3では、月あたりの平均訪問件数は5.9回で、うち看護職員による訪問が3.7回、理学療法士による訪問が2.2回になります。
- 要介護4では、月あたりの平均訪問件数は6.4回で、うち看護職員による訪問が4.5回、理学療法士による訪問が1.9回です。
- 要介護5では、月あたりの平均訪問件数は7.5回で、うち看護職員による訪問が5.9回、理学療法士による訪問が1.6回となりました。
職種別の訪問件数を見ると、医療保険利用者は看護職員による訪問件数が圧倒的に多く、介護保険利用者では介護度が高くなるにつれ看護職員による訪問回数が増えます。
訪問介護利用者で24時間対応の緊急訪問の平均訪問回数は、医療保険利用者が1人あたり2.9回、介護保険利用者が1人あたり3.0回になっています。
1人あたりの緊急訪問回数については、2021年度のデータもありますが、医療保険利用者が3.1回、介護保険利用者が1人あたり3.5回です。
若干増加しているものの、緊急の訪問件数は3回程度が平均となっています。
まとめ

訪問看護の平均訪問件数は、医療保険利用者と介護保険利用者で差があります。
看護のニーズが高い医療保険利用者のほうが、介護のニーズが高い介護保険利用者に比べると平均訪問件数は多くなります。
介護保険利用者の中では、介護度が高くなるほど、訪問看護の平均訪問件数が多くなり、医療ニーズがより増加する傾向です。
以上、訪問看護の平均訪問件数はどのくらいかについてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。