訪問看護ステーションを利用するためには、主治医より訪問看護指示書が必要ですが、このほかに特別訪問看護指示書と呼ばれる書類もあります。
今回は、それぞれの書類の違いについて紹介していきたいと思います。
訪問看護指示書とは何か
まず訪問看護指示書とは、在宅での療養生活で訪問看護ステーションが訪問看護を実施する際、主治医から指示を受けて利用が開始できるように交付される書類です。
訪問看護サービスは、必ず利用者やその家族、そして訪問看護ステーションの判断ではなく、主治医による支持を文書で示されていないと利用することができないと決められているため、訪問看護指示書の交付は必須になります。
訪問看護指示書では、訪問看護に関するあらゆるルールなどが記載されています。
特別訪問看護指示書とは何か
一方で、特別訪問看護指示書とはどのようなものなのでしょうか。
特別訪問看護指示書は、主治医が診療において急性増悪によって頻回な訪問看護が必要と判断した場合、訪問看護ステーションに交付する書類です。
通常の訪問指示書とは異なり、週4日以上利用できること、1日複数回訪問できることなどです。
ちなみに、特別訪問看護指示書の交付は、事前に訪問看護指示書が交付されている方にしか発行されません。
交付の要件としては、急性感染症などによる急性憎悪のケースや退院直後といった際に主治医の判断で発行されています。
特別訪問看護指示書で認められていることについて
特別訪問看護指示書が交付されている利用者の方は、基本的にあまり体の状態が芳しくないケースが多いです。
そのため、緊急で訪問が必要となるケースもあり、週4日以上の訪問が認められているのです。
ちなみに、特に訪問日数に関する上限が定められていないため、利用者によっては毎日訪問が必要と医師より指示が出されるケースもあります。
また、通常の訪問看護指示書では、医療保険を利用する場合に限り1日に1回までという制限がありますが、特別訪問看護指示書では1日に複数回でも訪問することができます。
たとえば、急性憎悪によって痰の吸引が1日に何回も必要と判断された場合は、1日に複数回ケアに訪れることもしばしばです。
このほか、原則訪問看護指示書においては1回の利用時間が90分未満と定められているのですが、特別訪問看護指示書では週1回まで長時間での訪問看護が利用できます。
ただし、90分を超える分は、長時間訪問看護加算が適用されています。
特別訪問看護指示書の交付の際に気に留めておくべきこと
特別訪問看護指示書は、既述の通り、訪問看護指示書が交付されている方ではないと発行されません。
また、訪問看護指示書を交付した医師と特別訪問看護指示書を交付する医師は同じ方ではないという決まりがありますので注意しましょう。
特別訪問看護指示書には適用される期間が一定期間と定められており、その期間は最大で14日間のみです。
そして、月1回のみ交付がされるようになっています。
*例外で月2回交付されるケースもあります。
また、訪問看護は介護保険、医療保険で利用することができるとお伝えしていますが、介護保険で利用されている方は、特別訪問看護指示書が交付されると介護保険ではなく、その期間だけ医療保険適用となるので理解しておきましょう。
まとめ

訪問看護指示書と特別訪問看護指示書の違いについて説明してまいりました。
特別訪問看護指示書は、急性増悪などにより頻回の訪問看護が必要と主治医が判断された際に交付される書類です。
特別訪問看護は、退院直後の利用者にとってはとてもありがたい指示書で、いつ何時利用することになるかは誰にも計り知れないものでもあるので、特別訪問看護指示書に対する理解を深めておき、必要となった際にすぐに利用できるように備えておくと良いでしょう。
以上、訪問看護の訪問看護指示書と特別訪問看護指示書の違いについてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。